薬草図鑑

春早く葉の出る前に香気のある白色六弁花が小枝の先に開く。つぼみが子供の拳(コブシ)に似ているところから名づけられた。開花直前につぼみを摘み取って日陰につるして風乾したものを辛夷とい...
名前の由来は、現に効く証拠があるので「現の証拠」、たちまち効くので「たちまちぐさ」「いしゃいらず」などが。夏の花の盛り頃か開花直前に全草を刈り取り、葉が落ちないように風通しのよいと...
開花の最盛期に花穂(鶏冠花)を切り採り日干しにする。痔の出血、長い月経や白帯下には、1日量8~10gを水400mlで半量くらいまで煎じ、3回に分けて空腹時に服用する。下痢には、花を...
緑色の樹皮に黒い斑点があることから、これを文字に見立てクロモジ(黒文字)という。昔からその材はつまようじに使われている。民間では、かっけや急性胃腸炎に、日陰干しした根皮を3~5g煎...
クリの葉にはタンニンがあり、収斂や消炎作用がある。タンニンが最も多くなる真夏に採取した葉を日干しにしたものを、ウルシカブレやアセモなどに使うとある。一握り程度の葉を水500mlで煮...
秋から冬にかけ、古い葉のふちが枯れて白い隈どりができるので、クマザサ(隈笹)の名がつけられた。成分として含まれている葉緑素には、切り傷の回復を促す働きや、脱臭作用があるといわれる。...
多年生のつる性木本で、県内各地の「日当たりの良い土手などに大群生がみられる。秋の七草のひとつで、古くから漢方の要薬として用いられている。解熱、発汗、鎮痛作用がある。根から採るクズデ...
早春に小さな黄色の花が、藤の花のように垂れ下がっている。夏から秋にかけて小枝を採り、葉ごと刻んで乾燥したものを、むくみに用いる。1日量として5~8グラムを、水400ミリリットルで半...
高さ20mにもなる高木。外皮をはぐと内皮が鮮やかな黄色であることからキハダ(黄肌)と呼ばれる。12~13年以上の木を夏の土用前後に切り倒し、コルク層を除き乾燥したものを薬用にする。...
キツネが住むような野に生え、夏に花茎が立つと黄色い花が咲き、金平糖のようなボタンに似た緑色の果実を結ぶことからこのような名前がついたという。全草に有毒な配糖体を含み、強い皮膚刺激(...
別名を「ウマズイコ」という。秋の彼岸の頃に根を掘り取り、太根を日陰干しした物を「羊諦:ヨウテイ」という。緩下剤として1日量5~10㌘を水400mlで半量まで煎じて、3回に分けて飲む...
その端正な姿から愛され、秋の七草の一つとして知られる。栽培のものは3年目の秋(天然は夏~秋)に根を掘り、ひげ根を除き荒く切って日干しにする。一般的に1日量4~5gを煎じて飲むが単味...