モクレン

暗紫色の花が咲く植物を「モクレン」と言い、白い花が咲く方を「ハクモクレン」と言い「モクレン」と区別している。薬用には「モクレン」のつぼみを使う。春に開花直前のつぼみを採取して、風通しのよい日陰で十分乾燥したものを辛夷(しんい)と言う。コブシの蕾を乾燥したものも辛夷と言う。蓄膿症、鼻炎、鼻づまり、頭痛、めまいに、1日量4gを水200mlで半量まで煎じたものを、1日3回に分けて服用する。風邪、頭痛に樹皮を煎じたり、解熱、鎮咳に実または根を煎じても良い。辛夷の入った漢方薬には、蓄膿症や慢性鼻炎に用いられる葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)や辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)がある。