サフラン

ヨーロッパ南部から西アジア原産の多年草。日本へは明治19年に球根が輸入され、全国で栽培されるようになった。8~9月頃に球根(鱗茎)を植えつけると、濃緑色線形の葉が束になって生え、10~11月頃に花茎が伸びて、地上5センチぐらいのところに淡紫色の花を開く。雄しべ(花柱)は濃赤色で3本に分かれている。なお、観賞用として栽培されている春咲きの「ハルサフラン」は薬用にはならない。雄しべに黄色色素のクロシン、芳香性物質のサフラナールを含み、花から抜き取って集め和紙に広げ35度C以下で火力乾燥するか陰干しにして鮮紅色に仕上げてから、色素が日光で変化しないように着色遮光瓶などで保存し使用する。婦人病の要薬で、鎮痛、鎮静、通経、強壮に1日量0.1~0.3gを温湯で滲出し服用する。その他に食品や化粧品にも広く用いられている。