オミナエシ

県内各地の日当たりの良い山野に自生する多年草。秋の七草として親しまれ、盆花としてもよく使われる。どこか淋しい風情が万葉以来「女郎花(オミナエシ)」の字を当てて愛されてきた。高さは1m内外で、夏から秋にかけて茎頂に黄色の粟粒のような花が群がって咲く。生薬名の「敗醤(はいしょう)」は、刈り採って乾燥させておくと、わずかに醤油の腐った匂いがするので名づけられたという。秋に根を掘り採り、洗って日干しにし煎じて、利尿、解毒、排膿、産後の腹痛や肥立ちに服用する。漢方では、消炎、排膿、駆お血(血の巡りが悪く、たまった古血をとる)等の処方に配合されている。