ウイキョウ

ウイキョウ(生薬名は茴香)は、明治の初めに渡来したヨーロッパを原産とする多年草である。本県では三水村(飯綱町)で盛んに栽培され、ソース用の香辛料として使われた。全草に特有の芳香があり、ピリリとした味を持つ。カメムシが好んで付く。果実が熟す前に採り、日干しにした果実を芳香性健胃薬として健胃薬に配合する。漢方薬では、神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニーの安中散(アンチュウサン)の主薬である。単独で用いる場合は、芳香性健胃薬、駆風薬(ガスの出を良くする)、去痰薬に、果実の粉末を1日量として0.5g~3gを水で数回に分けて服用する。